
今では人気ドッグフードランキングを見ても、その多くがイギリスやアメリカなどの外国産ドッグフードです。でも、ちょっと不思議に思いますよね?
「人間の食品では国産のほうが好まれるのに、どうしてドッグフードでは外国産が選ばれるんだろう?」
こうした疑問を持つことは当然で、他の飼い主さんもきっと不思議に思っているはずです。
というわけで、今回は国産・外国産ドッグフードの違いや安全なドッグフードを選ぶ手順について解説します。
「私は○○だから国産にしている」といった口コミも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
【結論】国産・外国産ドッグフードどっちがおすすめ?

結論からいうと、外国産のほうが安全でハズレを引く可能性は低いです。
しかし、国産のなかにも安全で高品質なドッグフードもあります。原材料を見て「安全だ」と見抜けるなら国産でも全く問題ありません。
でも、よく分からない人は海外産のほうが良いと思います。危険なドッグフードにあたる可能性はウンと低くなります。

誤解を生まないよう、先に“重要な事実”も書いておきます。
ドッグフードの原産国は、原材料の産地ではなく“最終加工された国”です。中国産原材料を使用していても、日本で製造すれば“国産”です。
そのため、「国産」「外国産」というのは、あくまで製造工場の安全性やペットフードへの規制といった話になります。原材料の産地ではないのでご注意を!
※ドッグフードの原産国については以下の記事をご覧ください。
国産と外国産ドッグフードのたった1つの違い

国産と外国産のたった1つの違いであり、非常に大きな違いは、ドッグフードに使用される添加物に対する規制です。
どちらが厳しいかというと「外国産」です。日本ではペットフードへの規制がまだまだ緩く、いまだにドッグフードは食品ではなく「雑貨」に該当します。
私たちヒトの食品には「非食用肉」や「発ガン性物質」の使用が禁止されていますが、日本のドッグフードへの規制はありません。実際に添加物を使っていても、表示する義務がなかったりもします。
一方、外国産のドッグフードは食品として扱われるため、安全基準も厳しく、私たちが食べられないような肉や発ガン性物質などの使用は規制されています。

国産ドッグフードのメリット・デメリット

「それじゃあ国産ドッグフードは全部ダメなのか」というと、決してそうではありません。
国産ドッグフードにも外国産にはないメリットがあります。
国産ドッグフードのメリット
- 輸出コストがかからないので安い値段で手に入る
- 製造から手元に届くまでの期間が短い
- 手に入れやすい
国産の一番のメリットは値段が安いということでしょう。国産ドッグフードは外国産のように輸出コストがかかりません。
また、日本国内の工場で製造されるため、パッケージングから店舗に流通するまでの期間が短くなります。そのため、製造時の品質のまま店舗に並ぶことも多いのが国産ドッグフードです。
そして3つ目は“基本的にいつでも手に入ること”です。最近ではコンビニでもドッグフードが販売されていますし、旅先や災害時でも調達することができます。
実際に震災を経験していないと分からないかもしれませんが、災害時でも「いつものドッグフードがすぐ手に入る」というのは非常に心強いことです。

国産ドッグフードのデメリット

国産ドッグフードの最大のデメリットは、ペットフードへの規制が緩く、今でも多くの粗悪品が横行しているということです。
「悪いものを悪いと見抜けない人」「値段だけで決める人」はまさにメーカーの思うつぼです。
当然、添加物まみれのドッグフードは、アレルギー、消化不良、内臓疾患などを引き起こし、愛犬を苦しめることになります。
⇒添加物を見抜けるようになりたい人へ。ドッグフードの粗悪品の見抜き方を解説!

外国産ドッグフードのメリット・デメリット

外国産ドッグフードのメリット
欧米諸国ではドッグフードを食品として扱うため、安全基準はとても厳しくなっています。そのため、ドッグフードに非食用肉や危険な添加物が入っている確率はガクンと下がります。
「原材料を見てもどれが危険なのかサッパリ分からない」という人でも、それなりに人気の外国産ドッグフードを選んでおけば、愛犬の健康を害することはまずないだろうというのが大きなメリットです。
外国産ドッグフードのデメリット
- 店頭に並ぶことが少ない
- 輸送中に品質劣化する恐れがある
- 値段が高い傾向にある
1つ目のデメリットは「簡単に入手できない」ということです。外国産ドッグフードの多くはペットショップやドラッグストアなどの店頭に並ぶことはありません。
また、高品質なドッグフードほど、流通経路や製造管理を徹底しているため、ネット通販限定になっています。
※「重たいドッグフードを玄関まで届けてくれる」と思えば、デメリットではないかもしれませんが。

2つ目のデメリットは、ドッグフードによっては輸送中の激しい気温変化により品質劣化する恐れがあるということ。
外国産ドッグフードの大半は船で輸送されてきますが、専用コンテナで温度・湿度管理を徹底しているメーカーもあれば、炎天下のなか灼熱のコンテナでそのまま運ばれてくるドッグフードもあります。
輸送にかかわる品質面は、しっかり販売ページをチェックしたり、メーカーに問い合わせるなどして確認しないといけません。
そして3つ目のデメリットは、値段が比較的高いということ。
輸送コストやそれにかかわる人件費、関税など、国産ドッグフードにはないようなコストもかかってくるため、外国産ドッグフードのほうが値段は高くなります。

普通のメーカーであれば輸送による品質劣化もまずあり得ないので、輸送面はあまり心配しなくて良いと思います!
⇒イギリス産が堂々の第1位【2019年度版】安心安全!無添加ドッグフードランキング
みんなの口コミ|国産派と外国産派それぞれの意見

世間の飼い主さんたちはどのような理由で国産・外国産を選んだのでしょう。Yahoo!知恵袋などから、リアルな声を集めてみました。
国産ドッグフードを使っている人の意見
私は国産ドッグフードを使っています。理由は獣医さんに勧められたから。
獣医さんから「中身を把握していると治療しやすいから」と言われたので、ずっと続けています。
初めて買ったのが国産ドッグフードで、そのまま病気もせずに食いつきも良いままなので。
国産ドッグフード派です。国産だって探せば良いものありますよ!探せばだけど…
海外産もいっぱいあってよく分からないし、ネット通販も億劫に感じて、結局いつものホームセンターで国産を買っています。
本当はもっと良いドッグフードをあげたほうがいいのは分かっていますが、値段も安いし、これといって病気もしていないので。
国産ドッグフードを使っている飼い主さんの多くは「値段が安いし、これといって病気にもなっていないから続けている」という意見でした。
まぁ、それもそうですよね。変える理由がないなら、値段が安いものを続けるのは当然です。
粗悪なドッグフードの場合、シニア犬になる頃に体内に蓄積した添加物の影響が出てくることも多いので、皆さんが安全な国産ドッグフードを選んでいることを願うばかりです。
外国産ドッグフードを使っている人の意見
私は外国産を使っています。基本的にペットに対する姿勢が日本は低すぎますから…。
先進国のなかでペットショップで展示して犬を売買するのも日本だけでしょう。海外はブリーダーさんから購入するのが普通みたいですし。
狭いケージに入れて展示なんて、海外なら動物虐待で訴えれます。
日本はペットフードに関しては後進国に位置します。ペット業界ではお役人のいい天下り先でもあるので、自分たちの都合の悪いようにはしないでしょう。
そういった体質が改善されるまでは、国産フード業界の利益になるようなことはしたくないです。
これなら健康に良さそう…と思うフードが近くのペットショップやホームセンターには売っていないので、たいていは海外産をネットで買っています。
安価な国産ドッグフードは原材料が中国産だったり、ヒト用に使えない肉をしていたりします。だから、ネット通販で外国産を購入しています。
外国産使用です。ドッグフードに関しては国産はあまりに拙いレベルです。
私はカナダ産とオーストラリア産のものを与えています。理由は無添加だから。ペットショップなどに無添加は並びません。
外国産ドッグフード派の意見を見ていると、「国産は危険で買えない」というのがひしひしと伝わってきました。
また、ある程度ドッグフードの原材料から良し悪しを見抜ける人が外国産ドッグフードを使っているという印象も受けました。
ちなみに、私も愛犬には外国産のドッグフードを与えています(筆者が与えているドッグフードはコチラ )
結局のところ、ドッグフードの良し悪しを決めるのは「国産」「外国産」ではありません。 ドッグフードで最も大事なのは“原材料”です。原材料はいわば「ドッグフードの履歴書」です。 安全なドッグフードを見抜くためには、こうした履歴書(原材料)から判断していくしかありません。 詳しくは別記事で解説しているので割愛しますが、今回は実際にどんな流れで原材料をチェックするのかを実演します。 今回はテキトーにAmazonで「ドッグフード」と検索して一番上に出てきたものをチェックしてみます。 「ヒルズのサイエンスダイエット」ということで、メーカーは有名どころ。原産国もオランダなので、安全面は大丈夫でしょう。 値段は1kgあたり534円…安すぎる。輸送コストも込みでこの値段なら、ホームセンターの激安フードと変わりません。 ちょっと怖いけど原材料を見てみましょう。 主原料はトウモロコシと小麦…ダメです。犬は穀物の消化が苦手で、なおかつトウモロコシと小麦はアレルギーになりやすい穀物です。 動物性油脂で粒もコーティングして、コーングルテンでトウモロコシの廃棄される部分も余すことなく使って…トリ肉エキス・ポークエキスは中身が不透明。 おまけに、サトウダイコンの搾りかすのビートパルプで「うんちも無理やり固くしちゃおう」と…これはちょっとダメかもしれませんね。 安かろう悪かろうがモロに出ています。 保証成分値を見ても、タンパク質20.0%と低め。しかも、そのほとんどがトウモロコシと小麦の植物性タンパク質なので…栄養価はかなり低そうですね。 「獣医さんに勧められた」という口コミもありましたが、ロイヤルカナンやヒルズがどの動物病院にも置いてあるのは大人のお付き合いがあるからです。 メーカーとしては動物病院に置いているだけでイメージアップ、動物病院側も売れたらお金もらえるようになっています。 結論、これはダメ。うちの愛犬には絶対食べさせられない。外国産ドッグフードもすべてが高品質ではないという良い例です。 イギリス産のプレミアムドッグフード「モグワン」。世界一ペットの栄養学が盛んで、安全性も厳しいイギリス産なので安心です。 1kgあたりの価格は約2000円とやや高めですが、プレミアムドッグフードでは標準的な価格ですね。 主原料にはチキンとサーモンを使用。原材料の53%(半分以上!)をこれらのお肉が占めるので、栄養価は相当高そうです。しかも、穀物不使用のグレインフリー。 また、私たちの食卓に並ぶような野菜・フルーツがたっぷり使われていて、着色料や香料などの添加物も一切見られません。 おまけに、グルコサミンやコンドロイチンといった関節サポート成分、腸内環境を整える乳酸菌も入っています。 限りなく手作り食に近い原材料で文句のつけようがありません。 保証成分値を見ても、「粗タンパク質28%」と極めて高タンパクになっています。しかも、そのほとんどがチキンとサーモンに由来する「動物性タンパク質」です。 これでタンパク質不足になるとは考えにくく、涙やけや毛並みへの効果にも期待ができそうです。 先ほどのヒルズサイエンスダイエットとモグワン、どちらを愛犬に食べさせたいか?そんなの原材料や成分を見ただけでも一目瞭然ですよね。 今回は国産・外国産ドッグフードの違いや、安全なドッグフードの選び方を紹介しました。 日本のペットフードへの規制はまだまだ甘く、「国産=安全」というイメージで飛びついてしまうのは危険です。 もちろん国産ドッグフードのなかにも高品質なものはありますし、外国産ドッグフードがすべて安全というわけではありません。 結局はドッグフードの原材料から判断するしかないんですね。 ⇒2度と市販の製品には戻れない!超美味!高級国産ドッグフードランキングへ 愛犬は自分で食べるものを選ぶことができません。選ぶのは私たち飼い主です。 愛犬のトラブルはすべて飼い主の責任なので、毎日の食事はしっかり選んであげたいところですね。 「どのドッグフードを選んでいいか分からない」「原材料や成分の難しいことは分からない」という方は、以下の記事を参考にしてみてください! 国産・外国産を問わず、「このなかから選べばハズレは絶対にないだろう」という無添加ドッグフードをランキングにしています。 ⇒【2019年版】安心安全!無添加ドッグフードランキングを見てみる 原産国よりも大事!安全なドッグフードの選び方
【実例】ゼロから安全なドッグフードを選んでみよう
商品名
サイエンス・ダイエット アダルト 成犬用 小粒 チキン
原産国
オランダ
内容量
3.3kg
価格
1763円(※2019/5/30時点のAmazon価格)
1kgあたりの価格
534円
トウモロコシ、小麦、トリ肉(チキン、ターキー)、動物性油脂、コーングルテン、トリ肉エキス、植物性油脂、ポークエキス、ビートパルプ、亜麻仁、米、ミネラル類(カルシウム、ナトリウム、カリウム、クロライド、銅、鉄、マンガン、セレン、亜鉛、ヨウ素)、乳酸、アミノ酸類(タウリン、リジン)、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、ベータカロテン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物)
タンパク質
20.0%以上
脂質
13.0%以上
粗繊維
3.0%以下
灰分
5.5%以下
水分
10.0%以下
商品名
モグワンドッグフード
原産国
イギリス
内容量
1.8kg
価格
3960円(定期3564円)
1kgあたりの価格
2200円(定期1980円)
チキン&サーモン53%(チキン生肉20%、生サーモン11%、乾燥チキン11%、乾燥サーモン7%、チキングレイビー2%、サーモンオイル2%)、サツマイモ、エンドウ豆、レンズ豆、ひよこ豆、ビール酵母、アルファルファ、ミネラル類(硫酸第一鉄水和物、硫酸亜鉛一水和物、硫酸マンガン一水和物、硫酸銅(II)五水和物、無水ヨウ素酸カルシウム、亜セレン酸ナトリウム)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE)、ココナッツオイル、バナナ、リンゴ、海藻、クランベリー、カボチャ、カモミール、マリーゴールド、セイヨウタンポポ、トマト、ジンジャー、アスパラガス、パパイヤ、グルコサミン、メチルスフォニルメタン(MSM)、コンドロイチン、乳酸菌
粗タンパク質
28%以上
粗脂肪
12%以上
粗繊維
3%以下
粗灰分
8%以下
水分
8%以下
まとめ